1 統計グラフとは何か
統計グラフを作り始める前に、まずは統計グラフがどのようなものなのか知っておく必要があります。 グラフの構成要素を知ることは、グラフを作る際だけでなく、グラフを見る時も役立ちます。 グラフを見る側に立つときは、グラフに書かれたデータや内容を見ることになりますが、 実際には「見る」ではなく「読む」ことが大事です。この軸が示しているデータは何なのか、 この色や凡例の意味は何か。優れたグラフは見る人の直感に働きかけますが、多くのグラフ、 特に統計グラフは見る人に対する配慮にかけているのが現実です。
グラフに書かれた要素を読み解く術を学んでいきましょう。
1.1 統計グラフの要素
- 座標(位置)、形、大きさ、色、線の太さ・種類
- データをスケールに対応させる
1.1.1 嫌われやすいグラフ
円グラフ、立体棒グラフ(棒グラフに限らず)はグラフの表現として嫌われやすい傾向にあります。 特にグラフ作成者の立場から。 それはなぜでしょうか。
1.2 何を伝えるか、何を伝えないか
情報を多く盛り込みすぎると見る人へ与える印象も複雑なものになってしまいます。 表現したいことは何か、伝えたい内容を明確にするために情報は限定的であるべきです。
1.3 媒体
紙(新聞、書籍)から電子的なものに。 グラフとそれを見るものとの間の相互的なやりとりによって、視覚的な情報が変化するインタラクティブな表現も行われます。
地図は動かない紙の状態からウェブベースに移行することで、インタラクティブな可視化として成功した例と言えるでしょう。 地図を操作する人は、興味関心に応じて対象への拡大・縮小を行えます。 (ウェブ地図がもたらす障壁については後ほど説明)